カウンターは「引込んで打つ」!今日から始めるカウンター
テコンドーの練習では「組み手(キョルギ)」は避けて通れないものです。
ミット蹴りや基本練習だけでは学ぶことができない、相手との距離感や打撃に耐える練習をすることができる、とても良い練習だと思います。
組み手はよく「動く標的」を蹴る練習と言われていますが、実はそれだけではないことを知ってますか?
相手は人間ですので、常に「考えて動いている」ことを忘れてはいけません。
練習ではミットを綺麗に蹴れるのに、試合では全くダメな人、身近にいませんか?
人間を相手にした場合、相手の一挙手一投足に対し反応し、色々な動きを返してきます。
常に異なる動きに合わせ、最適な攻撃(あるは防御)を行う。
そういった意味で、組み手は「頭脳戦」と言えるかもしれませんね。
その頭脳戦を有利に戦う1つの技術として「カウンター」があります。
カウンターとは、「相手の攻撃に合わせ、こちらの攻撃を当てる」ことですが、これが非常に強力な攻撃となります。
理由は簡単で、例えば、時速50kmの車で止まった車に当たった場合、衝撃は時速50kmのものでしかありません。
しかし、時速50kmでお互いに向かい合わせで走り、正面衝突した場合、衝撃力は時速100kmのものとなります。
片方の車からしたら時速50kmしか出していないのに、結果的には100km分の衝撃というわけです。
これを車でなく、人間の手足としたらどうでしょう?
自分だけの攻撃より、相手の力を利用した方がより強力になる訳ですね。
まあ、理屈はともかく、カウンターは覚えておくと非常に有効な技術です。
カウンターにはいくつかのパターンがあり、シチュエーションによって使い分けるのが普通ですが、これまでの経験から一番使いどころがあり、身につけやすいものをここで紹介しようと思います。
狙うタイミングはこんな感じの時です。
・あなたがラッシュをかけた後
・にらみ合いで試合の流れが止まった後
・リングの縁まで相手を追いつめた後
上記のようなタイミングが来たとき、敢えて「一歩」引きます。
正しくは、「後ろに一歩分バックステップする」ですね。
さて、このとき相手はどう思うでしょうか?
きっと「前に出て攻撃したい」と思うのではないでしょうか?
あなたが「逃げた」ように感じるかもしれませんね。
冷静な時は引っかからないでしょうが、特に試合や組み手で頭に血が上っている時ほど、あるいは追いつめられてもう下がれない状態であるときほど、反射的に前に出てくるでしょう。
この時こそカウンターの絶好のチャンスです。
その場で転回しながらのティッチャギ(後ろ蹴り)やフェッチュ(後ろ回し蹴り)、あるいはパラチャギ(前後の足を入替えての蹴り)辺りで迎撃が有効です。
(テコンドーのルール上、背後への攻撃は無効ですので、そういった意味でも転回しながらの攻撃は有利です。)
コツとしては「相手がしびれを切らしたり焦ったりするタイミングで『ちょっと引く』」ことです。
押してダメなら引いてみろってことです(笑)。
ちなみに、野生の肉食獣は逃げると襲ってくると言います。
逃げようとするものを攻撃しようとするのは本能なのかもしれませんね。
今回は本当にすぐに出来る内容だけに絞ってます。
例えばバックステップ1つにしても色々なものがありますが、今回は割愛します。
しかし、この内容だけでもかなり使えるカウンターになり得ますので、機会があったら練習をしてみてください。
RP

2014/07/19 | 練習
RP
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